2019年02月11日

文章の難易度について

 テーマや形式を自由にして、大学生に文章を書かせると、エッセイやショートショート、意見文、批評など、実にさまざまな物を書いてくる。出来映えは人それぞれだが、本当に上手なのはごく一部で、性別は関係がない。ただ、一般的傾向としては、女性の方がいいものを書いてくる。
 理由としては、女性の方が感覚に即したことを、自然に言葉で表現しているからである。男性の方は理屈にばかり目をとらわれ、難解な語や雅語を用いることが、優れた文章の条件だと誤解している。
 文章の中で書きやすいのは、意見文や批評である。なぜなら、書く対象がはっきりしているからで、何が重要であるか、初心者でもとらえやすいためである。論理の筋が通っていれば、誰にでも理解してもらいやすい。
 エッセイでは文章の味わいが問題となるから、その人が自分の言葉で表現しているか、自分の思いをどこまで言葉にするか、また暗示するにとどめるかといった微妙な具合が、文章の質を左右する。
 ショートショートの短編小説は、もっとも難易度が高い。それでも、自分の体験に則して、わずかにフィクションの衣をかぶせて、感覚に訴えるような文章が書ければいいのだが。多くの学生は気負ってしまい、自分のよく知らない絵空事を書こうとするから、表面をなぞるだけで、粗筋をつづるだけで、それで良しとしてしまう。たとえ頭の中で素晴らしい空想世界が展開していても、それを読み手に伝えるすべを知らないのである。
 ひどいのになると、ゲームのように場面や会話を羅列するだけで、書いた本人も良いとは思っていないだろう。授業で教わったことが、全く活かされていないのである。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:53| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする