2019年01月08日

野良猫も楽じゃない(1)

 近所のコンビニに、黒と白のまだらの猫が居着いた。いつもベンチの下に隠れていて、人が近づくと、相手の顔色を見る。真冬の夜は寒いから、かわいそうになって、コンビニで餌を買ってやった。恐る恐る近づいてきて、夢中になって食べ始める。
 次の日の夜も猫はいた。こっちを見ているので、また餌をやってしまった。そんなことが続くうちに、猫は馴れてこちらを見ると、ニャーと鳴いて催促するまでになった。ただ、仕事のない日はそこを通らない。気にはかかっていたが、わざわざ餌をやりに通いはしなかった。
 数日ぶりに訪れると、猫はやっぱりいた。コンビニで餌を買い、外に出てみると、何と先客がいた。先客といっても、猫に餌をやる先客である。猫はオスなのだろうか、いたずらっ子みたいな目が愛くるしい。だから、ぼくが通わずとも、他の人から餌をもらっていたわけか。
「今日はお腹いっぱいなんだろ」
 帰ろうとすると、先客の餌を食べ終えた猫は、僕に近づいて物欲しそうな目で見ている。こうなると、もうやるしかない。猫は僕が与えたカツオも、ムシャムシャ食べている。
「かわいい顔してると得だよな」(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:44| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする