2018年12月19日

余りの寒さに葡萄も冬眠?(4)

 受付をした時には、まだ10名も集まっていなかった。シーズンオフでがらがらだった。しかも、今日は土曜である。池田のワイン城は公営で、職員は公務員であるため、今日は工場が稼働していない。
 地下のワイン樽を見学した。薄暗いがワインの香りがする。オーク製の樽に入れることで、樽から木の香りや成分がワインに溶け込む。寒冷な十勝地方のブドウは酸味が強いが、オークの樽に詰めることで、芳醇な香りを持つようになる。木の樽に入れておくと、わずかずつであるが揮発する。空気に触れると酸化するため、常にワインをつぎ足して、隙間がないようにするとのこと。
 スパークリン・ワインに関しては、一般に二酸化炭素を注入する方法が取られるが、池田町では出来上がったワインに、酵母と砂糖を入れて瓶詰めして二次発酵させている。ただ、そのままでは濁っているので、瓶を逆さにして、瓶の口に澱(おり)が沈むようにする。充分に沈澱したところで、瓶の先端を凍らせる。機械で蓋を開けると、凍った澱が口から飛び出す。減った分を足してから、ふたたびコルクで栓をして、出荷まで寝かせるという。(つづく)


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2018年12月17日

猫の家出

 うちの庭で生まれた二匹の兄弟猫を飼いはじめて、早くも二年半の月日が経っていた。白い毛の兄と、茶色い毛の弟は性格がかなり異なる。兄の方は猫らしいマイペース。遊んでほしいときは「遊んで、遊んで」と寄ってくるが、気が向かないときは、いくら声をかけてもそっぽを向いている。一方、弟の方は警戒心が強いのだが、甘えん坊でこちらが声をかけると、返事をしてくれる。
 さて、先日、弟の方が家出をした。玄関が開いたわずかのすきに飛び出した。もとは外で飼っていたから、いつも窓際で外を見ていた。何度か逃げ出したのだが、夕方までには連れ戻していた。ところが、今回はなかなか捕まらず、夜になってしまった。
 餌でおびき寄せたりしたが、玄関に入ったところで、ドアを閉めようとして、逃げられてしまった。それを繰り返すうちに、手の内を知られたのと、ドアを勢いよく閉めたことが、猫に恐怖心を与えたのだろう。これは危険なことで、下手をすると、ドアに猫がはさまって致命傷を負わせてしまう。
 こちらが声をかけると、返事をしてくれるのだが、ドアにはさまれそうになってからは、こちらに近づかなくなり、目が合っただけで逃げ出すようになった。動きもすばしっこくなり、野良猫の野生が戻ってきたかに見えた。ただ、鳴き声が悲鳴のようにも聞こえる。寒いからうちに入りたいのと、このまま自由でいたいというジレンマにとらわれていたのか?
 そうして三日三晩が過ぎた。ストーブの前の席に座るほど寒がりなのに、霜が降りる寒さでどうしているのかと思った。餌と水は出しておいたが、十分には食べていなかったのだろう。三日目には寒さに耐えかねて、動きが鈍くなってきた。
 その日の夕方、庭の草の中にはまって、じっと震えていた。餌を口もとに持っていくと少し食べ、体にも触らせてくれた。タオルで包むように抱いて、家の中に戻すことができた。
 寒かったのだろう。クシャミをしていた。餌を食べると、疲れ果てていたのか、ストーブの前で眠り続けた。目が覚めると、元の甘えん坊に戻っていた。


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ラベル:猫,ネコ,家出
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2018年12月16日

余りの寒さに葡萄も冬眠?(3)

 池田駅に着いた。北海道はアイヌ語由来の地名が多いが、池田は異なる。徳川慶喜の息子が経営していた池田農園に、根室本線の駅ができたことによる。それが町名として採用されたという。
 ところで、何で池田でなんか下りたのかと聞かれそうだ。「あれだろ」と友人が指さした。これから目指すワイン城である。池田と言ったら、ワイン城ぐらいしか見る物がない。向かう人影も僅かだった。
 ワイン城は根室本線をまたいだ跨線橋の先、向かいの丘の上にある。すでに午前十一時を回っており、見学希望者を募るアナウンスが入った。先着20名と聞いていたから、もう間に合わないかもと思った。(つづく)


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