2018年12月22日

フクシマから来たウサギ(2)

 ウサギは女性に可愛がられ、見違えるような生活を送った。野原を駆け巡ることこそなかったが、女性の部屋の中で跳び回り、朝夕には新鮮な野菜と果物を与えられ、清潔な籠と部屋の間を出たり入ったりした。
 好物は食事ごとに与えられる桃と干しぶどうだった。人参、大根、青菜、香菜など、野菜の種類も多かった。女性の冷蔵庫の三分の一は、ウサギの食べ物で常時占められていた。
 女性は黒いウサギを、我が子のように可愛がった。ウサギの方でも、女性に抱かれている間は、フクシマで死んだ母や兄弟たちが、そばにいてくれているような気がした。太陽の日射しを浴びられないことが、唯一の不満だったが、それさえも絨毯の上で、女性と遊んでいる間は忘れた。(つづく)


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2018年12月21日

It is extremely dangerous to make Japan a nuclear waste repository.

 It is extremely dangerous to make Japan a nuclear waste repository. Nuclear debris takes 100,000 years before it stops emitting radioactivity. The Japanese archipelago is attacked by a huge caldera eruption once every several thousand years. The probability that a caldera eruption attacks nuclear waste disposal sites emitting radioactivity within 100,000 years is close to 100%. Biological extinction by carrying overseas radioactive waste to such Japan.

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posted by 高野敦志 at 04:49| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フクシマから来たウサギ(1)

 黒いウサギは九年近く前、福島県浜通りにあった、さまざまな動物を多頭飼いして、子供たちと触れ合わせる施設で生まれた。野原を駆け回っていた母と娘に、ある日激しい揺れが襲いかかった。ついで、目に見えない放射能が降りかかったが、ウサギはそんなことには気づかなかった。
 ただ大きく変わったことといえば、来園する子供たちが姿を消し、施設が閉鎖されたということだった。職員の多くは解雇され、身の回りの世話をしてくれた若者も去って、ウサギは糞便のあふれる家畜小屋に閉じ込められた。時折投げ込まれる野菜で命をつないでいたが、母と子の一部は死に、残りの兄弟はもらわれた。ボランティアに助けられた黒いウサギは、事情を知った女性に引き取られた。(つづく)


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