2018年11月30日

幸福駅に千社札?(3)

 さて、空港に到着後、あわただしく帯広駅行きのバスに乗った。旧広尾線の幸福駅までは十分弱。下車する人が多いと思っていたが、下りたのは友人と僕の二人。しかも、周囲には何もない。あるのは雪化粧した畑ばかり。気温は零度で、日差しは暖かだが、じっとしてるだけで震える寒さだ。
 唖然とした。自分はこれを見るために、北海道に来たというのか。彼方にオレンジ色の気動車が二両見える。あそこが幸福駅というわけか。晴れ上がった青空だけが救いだった。
 とにかく空気が冷たい。寒いから余計に腹が減る。熱いラーメンでも食べたいな。思った途端に無性に食べたくなり、幸福駅がラーメン屋に見えてきた。これは廃線当時の建物ではない。老朽化した駅舎の代わりに、廃線後に再建された物だ。駅のプレートだけは縁が錆びていて、かつての駅舎の物が取り付けられたのだろう。
 駅舎の中は、愛国駅から幸福駅行きの巨大な切符が、千社札のように貼ってある。しかも、壁がすっかり隠れ、切符の上に切符が重なっている。二人の幸せを願うメッセージも書かれている。駅舎の前には鐘が吊してあり、カップルが二人で鳴らして、幸福駅行きの切符を貼る。見れば、ここに来ているのは、若い人ばかりだ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:14| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする