2018年11月27日

坂口安吾の「日本文化私観」に関して

 これは戦時中の1942年(昭和17)に書かれた。安吾は「ブルノー・タウトが絶賛する桂離宮」を見たことがない。京都や奈良の寺院が燃えてしまったとしても、一向に構わないと言う。文化を創り出すのは人間であり、戦争で焼失したとしても、人間がいれば再建できるからである。
 伝統的な文化、例えば、茶ノ湯なども、それを作り出した利休にとっては、創造だったろう。しかし、現在の茶ノ湯は礼儀作法となり、形を模倣することが、まず求められる。形を通して過去に作り上げられた理想に近づくのであって、現代人が創造に与するわけではない。
 日本人の場合、茶ノ湯に生半可な知識があるから、新鮮でも何でもないし、模倣を強いられる点で受け付けない場合が多い。一方、外国人にとっては、全く新しい価値との接触であるから、日本人よりも、美の核心に触れるという発見がある。
 秀吉を評価するのは「彼の命じた芸術には、実に一貫した性格がある」からであり、「人工の極致」「最大の豪奢」に徹して「清濁合わせて呑む」ところである。そこに形式にとらわれない大胆な精神が認められるからである。
 安吾が美しいと感じた物。小菅刑務所、ドライアイスの工場。駆逐艦。そこに共通しているのは、一切の無駄がないという点である。言葉を削ることで磨き上げる推敲が、文学の鍵であるこということに、通じるところが見いだされたからだろう。


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2018年11月26日

幸福駅に千社札?(1)

 北海道胆振東部地震が発生し、北海道を旅行する観光客が激減した。とりわけ、海外からの観光客が。そこで、地域振興のために、格安のチケットが提供されている。オフシーズンなら、ホテル代を含めた旅行料金が、正規の半額だったりする。
 わざわざ北海道に行くのに、一泊で帰ってきてしまうなど、初めは気が進まなかったのだが、二万円でホテル付きだと友人に言われた。行き先は帯広。二人とも通過しただけで、よく知らない街だ。晩秋とはいっても、雪が降って路面も凍結するから、車の運転はしたくないとのこと。
 この時期は、本土の人間にとっては真冬と同じである。太平洋側で雪は少ないが、昼間でも氷点下だったりする。観光施設の多くは、十月までで閉鎖してしまう。旅行だけが決まって、訪問する先が決まらない。とりあえず、とかち帯広空港に近い、旧広尾線の幸福駅を訪ねることにした。(つづく)


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2018年11月25日

次の元号は何か?

 国民の間で関心が持たれていることの一つが、次の元号は何かということである。役所の書類では西暦ではなく、元号を用いなければならないから、これは当然であろう。カレンダーやメモ帳を作成する会社にとっては、改元の直前まで次の元号が分からないというのは、何とも都合が悪いわけだが、元号を決める学者には秘密厳守が求められており、万一漏れた場合には、別の元号が代案として出されることになっている。
 ちまたで噂になっているのは、次の元号にはどんな漢字が用いられるかということである。明治生まれはもうほとんどいないが、大正のT(タ行)、昭和のS(サ行)、平成のH(ハ行)から始まる音は避けられるのは確実だという。
 そうした中で、「安」という漢字が注目されている。戦後初めて首相への個人崇拝という現象が起こり、駅前で日の丸が振られて、頑張れという励ましの言葉が、首相に向かって叫ばれるご時勢である。緊急事態条項を含む憲法改正で、首相命令への絶対服従が義務化されるのであれば、元号に首相の姓の一字が含まれることも、大いにありうるのではないか。
 そこで、過去に「安」が用いられた元号にはどんなものがあるか、また、その時代にどんな出来事があったか調べてみた。弘安四年(1281年)には弘安の役があった。元の皇帝フビライの命令で、元軍14万が九州を襲撃した。康安元年(1361)には康安地震があり、摂津や阿波に津波被害が出ている。これは発生が危惧される南海トラフ巨大地震である。安永八年(1779)には桜島が安永大噴火を起こし、海底噴火による津波や火砕流によって、150名以上の犠牲者が出たという。安政二年(1855)には安政江戸地震が発生した。震源地は東京湾北部と見られ、死者は1万人と推定される。


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