「大社駅は立派な建物だから、今でも残っているんだよ」
それを話すと、友人は先に見に行きたいと言った。あとにすると、行くのを忘れてしまうからというのだ。そこで、まず大社駅に向かうことにした。出雲大社とは反対の方向である。しかし、行けども行けども、大社駅は現れてこない。
ようやく、向こうに標識が見えてきた。大社駅は出雲大社に参拝するために作られた駅で、駅舎その物に歴史的建造物といった風格がある。残された駅舎は、1924年(大正13)に竣工された二代目。ちょっと見ると、道後温泉の建物に似ている。
内部の切符売り場も、堂々とした出窓の造りで、急行用にホームも長く、改札口の数も多い。まさか廃駅になるとは考えなかったんだろう。京阪からの直通運転がなくなり、一畑電車の出雲大社駅より遠いことが、生き残れなかった原因だろう。
旧大社駅前のそば屋に入った。三段重ねの割子そばを注文した。生卵と、とろろ、大根おろしとかつおぶしの三種類が楽しめる。そばつゆは濃いめで甘い。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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