2018年10月22日

ぼくがダライラマ?(58)

 ぼくは空元気をつけていただけだった。摂政サンゲ・ギャツォが、病と称して屋敷にこもるようになると、もはや不安を隠すことはできなくなった。恐らく何かがあったのだ。あの夜のことが発覚したのか。
 眠れない夜が続くようになった。寝ているのか、起きているのか分からなかった。摂政の娘が床に横たわり、ぼくは夢中で犯しているのだった。気づくと、手がべとべとしている。女の股から血があふれ出し、顔を見ると血の気を失っている。恐る恐る触れると、手についていた血で、女の頬が赤く汚れた……。
 大声を上げて目が覚めた。すでに夜は明けていた。部屋の窓を開けると、冷ややかな風が入ってきた。ラサの町は朝日を受けて、煉瓦造の屋根に飾られた五色の旗タルチョが、ゆるやかにはためいている。天はぐっと高くなり、澄んだ青と対照的な鰯雲が、秋の到来を告げている。キチュ河の岸辺には霞がかかり、彼方の山並みは橙色に輝いていた。(つづく)


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2018年10月21日

電子書籍におけるダッシュと三点リーダー

 Windows10のCreators Updateは巨大なファイルである上に、日本語の縦書きで用いるダッシュや三点リーダーが、縦書きなのに横向きになるという重大なバグがある。にもかかわらず、一向に修正される気配がない。
 Windows10にインストールされた一太郎で電子書籍を作る場合、レイアウトに支障が生じる。バグが修正されない以上、ダッシュと三点リーダーは使用しないという選択肢もあるだろう。ただし、自身の著作物でない場合には、この問題は回避されない。
 僕が父の詩集『寒菊』を電子書籍化した際、ダッシュの扱いに困惑した。PDFの場合には、罫線で代用することができた。ただし、三点リーダーには回避する方法がない。幸い、父の詩集には三点リーダーはなかったので、pdfに関してはレイアウトの崩れは回避された。一方、ePubの場合はお手上げだった。ePubでは罫線は表示されないから、ダッシュの代用はできないのである。
 では、縦書きのバグが解消されるまで、ePubではレイアウトが崩れたままになるのか? 僕は回避する方法を見つけた。先ほどアップロードしたePubの『寒菊』は、WindowsでもiOSでも、縦書きのダッシュは縦を向いて表示されている。どうしたかというと、Windows10のCreators Updateで作成した一太郎ファイルを、Creators UpdateされていないWindowsに移動する。Creators Updateされた一太郎ファイルでは縦を向いていたダッシュが、Creators UpdateされていないWindowsの一太郎では、横を向いてしまっているではないか。
 そこで、横向きになったダッシュを削除し、ダッシュを改めて入力し、ePubで保存してみた。これをCreators Updateされたパソコンに移し、Edgeで表示してみると、ダッシュもきちんと縦を向いていた。iOSで表示しても縦を向いている。これは古いOSに一太郎がインストールされている場合にしか適用できない。根本的な解決にはなっていないわけだが。


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2018年10月20日

大山は「おおやま」にあらず(2)

 翌朝、空は晴れていたが、大山には雲がかかっている。山頂が晴れ上がるというのは、なかなかないのだろう。台風が衰えた熱帯低気圧が、大量の水蒸気を運んできたからか。
 急いで朝食を取った。八時半過ぎにチェックアウトして、大山寺行きのバスに乗った。九時十五分頃には到着し、コインロッカーに重い荷物、下着などは置いていく。これでだいぶ軽くなった。登山届けを出して出発!
 現在の大山寺は、かつて大日堂と呼ばれていた所。正面の道をずっと進んだ上にあった。本当は詣でたかったのだが、夏山登山コースをたどり、弥山の山頂を目指すことにした。弥山と言えば、宮島の山も弥山だったな。
 阿弥陀堂があったのでお祈りした。室町時代に再建された物で、本尊は木造の阿弥陀如来、脇士は観音菩薩と勢至菩薩。ただ今日は戸が閉ざされ、辺りに人影もなく、静まり返っている。伯耆の大山は開山千三百年で、比叡山や高野山と並んで多数の伽藍と僧兵を持つ天台系修験の大寺院だったが、廃仏毀釈で大山寺の寺号を廃され、寺領も没収されて多くの堂宇も失われたという。(つづく)


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