2018年10月23日

大山は「おおやま」にあらず(3)

 いよいよ登山が始まった。しばらくは石を埋め込んだ石段が続く。表面の凹凸が靴底に当たって痛い。底の厚い登山靴を履いてくるべきだった。次には木を横に渡した階段が続く。一段の高さが高い上に、傾斜がきついので息が切れる。ただ、今日は体調がいいからそれほどつらくはない。ブナ林の間を行くので見通しは余り良くない。
 一合目から二合目までは長かった。それから無心で登り続けたら、五合目の先にある行者谷コースとの合流点には、二時間ほどでたどり着いた。帰路はそちらを通ることにした。
 六合目には避難小屋があった。コンクリートの壁に扉と窓がはめ込まれた簡素な造りである。伯耆の大山は古い火山で、白い安山岩は風雨でぼろぼろに砕けていく。今登っている弥山も、一万七千年前の噴火による熔岩円頂丘だという。しかし、有史以来噴火記録もなく、火口も火山ガスも見当たらず、言われなければ、大山が火山とは気づかないだろう。ここで持ってきたチュロッキーを食べた。少し元気が出てきた。(つづく)


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高野敦志童話集(ePub)

 僕が幼児から成人するまでの思い出を元にした、「黄色いニワトリ 赤いニワトリ」「子どもの作り方」「インコのピーちゃん」の三篇を、電子本のePubでアップロードします。ごく短い作品ですので、気軽に読めると思います。ぜひ、ご覧になってください。ちなみに、表紙の写真は幼い頃の自分です。
 pdf版は後日、公開する予定です。
 以下のリンクからダウンロードして下さい。
douwashu.epub

 iTunesからダウンロードする場合は、ミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。
 IEでダウンロードした場合は、拡張子をzipからepubに変えて、下記のアプリでご覧下さい。

 ePubはiOSのiPadやiPhoneなどで読むのに適した形式です。iBooksなどでご覧下さい。Windowsでは紀伊國屋書店のKinoppy(http://k-kinoppy.jp/for-windowsdt.html)が、最も美しくePubのファイルを表示します。

 ブラウザからePubを開く場合、Edgeならプラグインなしで読めます。Googleのchrome(https://www.google.co.jp/chrome/browser/desktop/index.html)なら、プラグインのReadium(http://readium.org/)をインストールして下さい。
 firefox(https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/)にもプラグインのEPUBReader(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/epubreader/)があり、縦書きやルビなどにも対応しています。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。 


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posted by 高野敦志 at 03:46| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月22日

ぼくがダライラマ?(58)

 ぼくは空元気をつけていただけだった。摂政サンゲ・ギャツォが、病と称して屋敷にこもるようになると、もはや不安を隠すことはできなくなった。恐らく何かがあったのだ。あの夜のことが発覚したのか。
 眠れない夜が続くようになった。寝ているのか、起きているのか分からなかった。摂政の娘が床に横たわり、ぼくは夢中で犯しているのだった。気づくと、手がべとべとしている。女の股から血があふれ出し、顔を見ると血の気を失っている。恐る恐る触れると、手についていた血で、女の頬が赤く汚れた……。
 大声を上げて目が覚めた。すでに夜は明けていた。部屋の窓を開けると、冷ややかな風が入ってきた。ラサの町は朝日を受けて、煉瓦造の屋根に飾られた五色の旗タルチョが、ゆるやかにはためいている。天はぐっと高くなり、澄んだ青と対照的な鰯雲が、秋の到来を告げている。キチュ河の岸辺には霞がかかり、彼方の山並みは橙色に輝いていた。(つづく)


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