2018年08月08日

MQA-CDを普及させるための条件

 MQA-CDはCDと余り変わらない容量で、352.8kHz/24bitの高音質を実現する。また、SACDとは異なり、リッピングが可能で、対応する携帯プレーヤーでも聴くことができる。音質の高さに関する評判も良く、素晴らしい技術だと賞賛したい。
 ただし、普及させるためにはいくつか問題点がある。MQA-CDを再生させるディスクプレーヤーは非常に高価で、一般のユーザーは手が届かない。また、ソフトウェアでのデコードでは、96kHZ/24bitまでしか展開されず、MQA対応のDACをパソコンに接続しなければフル展開されない。これでは、オーディオマニアでなければ手を出さない。
 一般のユーザーがMQA-CDを聴く安価な方法は、MQA対応の携帯プレーヤーを用いることである。ただし、リッピングに関する情報が乏しい。ネットを検索しなければ方法が分からない現状では、一般のユーザーがMQA-CDのサンプラーを入手しても、リッピングの方法が分からずじまいになる。
 まず、リッピングできるソフトウェアが限られる。携帯プレーヤーで普及しているのは、ソニーのウォークマンである。MQA対応をうたっているが、ソニーのMusic Centerではリッピングができない。フリーのExact Audio Copy(http://www.exactaudiocopy.de/en/index.php/resources/download/)などを用いて、可逆圧縮でリッピングするしかないが、ファイル検索用のタグが自動で入力されない場合は、Mp3tag(https://www.mp3tag.de/en/)の併用も必要になる。さらに、拡張子をflacから、mqa.flacに変更することで、ようやくパイオニアなどの携帯プレーヤーでは、MQAの高音質を楽しむことができる。
 しかし、ソニーのウォークマンでは、これだけのことをしても、リッピングしたファイルはMQAとして認識されない。リッピングしたファイルに、foobar2000(https://www.foobar2000.org/)などを用いて、ORIGINALSAMPLERATEが352800、ENCODERがMQAEncoderである情報を、タグ編集で追加しなければならないのである。
 こんなに面倒くさいのだから、MQA-CDを携帯プレーヤーで聴こうとしたユーザーのうち、352.8kHz/24bitの高音質で堪能した人は1割に満たないのではないか。現状のままでは、MQA-CDは素晴らしい音質を誇りながら、かつてのHDCDのように廃れてしまう恐れがある。
 この壁を打破する方法としては、MQA-CDの発売元であるユニバーサルミュージックが、ホームページでリッピングの方法、特にソニーのウォークマンで聴くための詳細な方法を、ホームページで紹介することである。ただ、いまだにそれがなされていないのは、余りに煩瑣な作業に消費者が引いてしまうのを恐れているのではないか。
 それならば、一発でMQA-CDをリッピングして、拡張子にmqaの文字を追加し、ORIGINALSAMPLERATEやENCODERの情報も自動で打ち込むソフトウェアを公開する必要がある。最良の方法は、ソニーのMusic Centerでそれができるようになることである。それが難しいなら、せめて拡張子にmqaの文字を追加するだけで、リッピングしたファイルを、ウォークマンがMQAとして認識するように、アップデートがなされることである。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:00| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする