あぜ道を上っていくと、無人の駅にたどり着いた。ホームの一番端、ちょうど高千穂橋梁の付け根の辺りから、谷間のユースホステルを見下ろした。人の影のようなものが見えるので、手を振ってみた。
「着いたの?」という叫び声が聞こえた。
「着いたよ!」と答えると、「行ってらっしゃい」の声。
「有り難うございます。行ってきます!」と大声で叫んで手を振った。
まさか本当に声が聞こえるとは思わなかった。こうして声をかけてもらい、ちょっぴり胸が熱くなった。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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