2018年07月04日

神々が降臨した地(1)

 熊本地震のため、阿蘇はすっかり姿を変えてしまった。阿蘇大橋は崩落し、豊肥本線も阿蘇以西が、南阿蘇鉄道も立野以東が一部不通となり、いまだ復旧の見通しが立っていない。このまま放置されてしまわないかが気がかりだ。阿蘇中岳も噴石を飛ばす噴火を繰り返している。僕が訪れた二十年前は、まだ日本が平穏だった頃である。
 朝食を食べると、ユースホステルを飛び出し、豊肥本線に乗り込んだ。列車はスイッチバックし、立野駅に入っていく。下りた列車はふたたびスイッチバックして進む。ここで南阿蘇鉄道に乗り換えた。
 この鉄道の見どころは、立野駅を出てすぐ、トンネルとトンネルの間に架けられた第一白川橋梁である。トンネルを出た途端に断崖絶壁で、闇から抜け出た列車は、谷間を見下ろすように空中を進む。列車がスピードを落とすと、乗客はすかさずカメラのシャッターを切る。
 絶景に架けられたアーチ橋も、熊本地震で大きく損傷し、架け替えの費用が捻出できるかが大きな壁となっている。そこを通り過ぎると、のどかな田園地帯をのんびり進む。雨が降ってきた。窓に水滴がついている。晴天ならトロッコ列車が走るということだが。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:46| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする