2018年06月21日

阿蘇は生きている(7)

草千里で陳さんと別れ、昼食を取ることにした。陶板焼きというのを食べた。陶器のふたがついたプレートで、牛肉を焼いて食べる料理である。レストランの窓から、登山道で見かけた二人と黒い犬が、斜面で遊んでいるのが見えた。
 昼食の後、草千里の正面にある小高い丘に登ることにした。風が強かったので、それこそ真冬の寒さを感じた。まだ青草が出ていないので寂しいが、広い空間に人の姿はまばらにしか見えない。はるか下方、丘のふもとと池の間に、轍(わだち)が一筋の土のラインを描いていて、馬に乗った人がのどかに過ぎていく。
 空はどんよりとしている。遠方の中岳の峰からは、もくもくと白煙が上がっている。火口まで登れる日は当面なさそうだ。余りの寒さにじっとしていられず、馬がつながれた辺りを目指して下りることにした。途中で見た池は澄んでいたが、数日晴天が続けば干上がってしまいそうだった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 10:18| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする