2018年06月17日

阿蘇は生きている(6)

 バスに乗って阿蘇山西駅に行くと、陳さんと再会することができた。今日もまた、火山ガスのためにロープウェイは運休だとのこと。禁止されているけれども、こっそり登っていこうかなどと陳さんと話していたら、風向きが変わった途端、火口から1キロ半も離れているのに、卵が腐ったような臭いがしてきた。
 周りの人たちが咳き込んでいる。僕もにわかに息が詰まり、喘息の発作が起きたように苦しくなってきた。これほど強烈な火山ガスは、箱根の大涌谷でも体験したことがなかった。驚いてバスの待合所へ逃げ込んだ。
 本当に危険だ! たとえロープウェイが動いていたとしても、火口に近づいたら息苦しくなってたことだろう。草原の広がるカルデラはのどかに見えるが、これは巨大火山が吹き飛ばされた痕跡であり、周囲の外輪山は残骸に過ぎない。中岳は草原に覆われた阿蘇のマグマが、牙の先端を覗かせた口というわけだ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 14:09| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする