2018年06月10日

阿蘇は生きている(3)

 バスは霧の中を走っていく。まだ青葉が芽を出す季節ではないので、草原は冬枯れしたままである。ところどころ、侵食によって谷が形成されつつあり、そこに葉を落とした灌木が生えている。
 草千里に到着した。霧が晴れて天上より日が射してきた。前方に小高い丘がそびえており、左右に小さな池が二つ見える。その上を霧が盛んに流れていく。五月になれば、さぞかし美しいことだろう、草原が彼方まで広がるさまは。丘を登っていく人たちが豆粒のように見える。
 阿蘇火山博物館に入った。最上階ではパノラマ映像が上映されており、カルデラ内部に広がる草原や、中岳の噴火の模様がリアルに紹介されている。下が展示室となっており、阿蘇山の模型が展示されていた。
 阿蘇は巨大な火山であり、南北二つの島だった九州を、一つの島にまとめるほどだった。大量の噴出物を出したために、自身の重みに耐えきれず、陥没してカルデラを形成した。そこに二万年間、湖が存在したことも分かっている。その後、中央部で火山活動が始まって隆起し、湖水が流れ出して現在の姿になった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:28| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする