2018年04月15日

厳島神社と弥山(7)

 二時間近く歩いたろうか。山頂近くにあるのが霊火堂である。小さなお堂ではあるが、空海が焚いた護摩の火が守られている。それが事実だとすると、千二百年も燃え続けたことになる。視界が開けたので、心に少し余裕ができた。日はまだ高いが、時計を見るともう午後四時過ぎである。
 向かいにあるのが弥山本堂。現在の建物は平成になってから再建されたものだが、ここで空海は虚空蔵菩薩求聞持聡明法を修したという。『三教指帰(さんごうしいき)』によれば、若い頃に土佐の室戸岬で修行し、「谷響きを惜しまず、明星来影(らいえい)す」という言葉が示すように、仏果は得ていたはずだが。記憶力が増進して、一度目にした物は忘れなくなる。膨大な経典を暗誦するのが目的だという。
 三鬼堂では三鬼大権現を祀っている。天狗を従えた護法の鬼神である。山伏によって修験道の修法が行われている。厳島神社からは五重塔以外の仏教色を除かれてしまったが、弥山には古代からの神仏習合の信仰が息づいているというわけだ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:20| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする