2018年04月27日

『バベルの図書館』をめぐって(pdf)

 アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスが選んだ世界文学全集『バベルの図書館』について、自由な形で書いたエッセイを一冊にまとめました。今回パソコンですぐに開けるpdf形式でアップロードします。元の作品を読んでいなければ分からないというわけでもないので、気軽に読み流していただければと思います。
 以下のリンクからダウンロードし、保存してからお読み下さい。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。
Babel.pdf

 iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。大部分のパソコンにインストールされているAdobe Readerで読むことができます。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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2018年04月26日

文章上達の基礎技術(1)

 文章表現の授業では、僕は学生に日記を書くことを勧めている。若い頃から人生の終わりまで続ければ、人間の若い頃からの成長、やがて老いに至るまでの過程を、自分自身の観察や思考を通して記録できるからだ。過ぎ去った時代に、自分や周囲の人間が何を考えていたかも。
 ただし、若い頃の文章は、今から見ると冗漫だったし、変に気取ったりもしている。要するに、へたくそなのだ。それを素材にして、成熟した目と文章技術で書き直すことで、初めて人に見せられるものに変身する。自分の文章能力がどの程度になったかは、ブログにアップロードしてみればいい。身内や友人でない人が見て、面白ければアクセス数が増えるし、注目記事に選ばれたり、読書からのコメントも来たりする。どのような文章が読者の心を惹くかというコツが、何となく分かってくるというわけだ。
 まあ、ブログはそれ自体、エッセイのように形式が自由だから、プロの領域に達すれば文学的価値も出てこようが、大抵は自己満足で終わってしまう。人の心をつかむコツが分かってきたとしても、文章技術は不十分な場合が多いだろう。
 では、さらにレベルアップするにはどうしたらいいか。ここでは「文章制限」を利用する方法を紹介しよう。もし、評論など論理的な文章を書くのであれば、ツイッターでの訓練が役に立つ。140字という制限で自己の主張を明確に主張するには、推敲することを通して、最も主張したいことをいかに的確にまとめるかに留意する必要があるからだ。どこまでなら批評になるが、それ以上書くと誹謗中傷になるといったさじ加減も分かってくる。
 ただ、今述べたのは、あくまでも文章技術の基礎である。内容や構成にはさらに高度なノウハウが求められる。また、学術論文などは、既定の文型を用いたり、先行研究の扱いや研究方法など、異なる技術も多いから、大学院のゼミなどに入って、専門家から学ぶ必要がある。(つづく)


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2018年04月25日

ぼくがダライラマ?(44)

 ぼくは怒りを覚えていた。何のためにぼくを屋敷に呼び出し、顔色の変化から心の内側まで探ろうとしていたのか。娘の方はというと、無表情を装っているが、こちらと引き合わされたことに動揺しているに違いない。
 娘は食べることに集中している。ヤクの骨付きの肉を手づかみし、かぶりついているではないか。感情を押し殺しているのかもしれないが、興醒めする仕草だと思った。見かねてて奥方が声をかけた。
「あなた、いくら後ろめたいことがないからといって、猊下を前にして失礼でしょう? あなたのことを紹介したいと思っただけなのですよ」
「いや、この子は隠したいことがあると、はしたない真似を癖があるんだよ。猊下も大目に見てやってください」
 摂政サンゲ・ギャツォは含むところを口許にただよわせつつ、召使いにダムニェンを持ってこさせた。
 仏教学者であり、老獪な政治家でもある摂政は、禿げ上がった額に汗をにじませながら、メンパ族に伝わる恋の歌を弾き語りした。チベットでは「卑しき担ぎ屋」と軽蔑されているのに、どうしてと思った。奥方や娘はメンパ族の言葉が分からないらしかった。
 ようやく食事が終わった。奥方は片付けをさせるために、奥に引き下がった。摂政は書斎に手紙を取りに行った。シガツェにおられる師、パンチェン・ラマから書簡が届いているというのだ。
 そのすきに娘は立ち上がり、テーブルの下の手に、何やら覚え書きらしき紙を渡した。ぼくが開いて読もうとすると、娘は首を振った。ドアが開く音がしたので、ぼくはあわてて懐に隠した。(つづく)


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