2018年03月07日

男はつらいよ ぼくの伯父さん(第42作)

 今回は寅次郎の甥、満男を中心に物語が展開する。大学に落ちて予備校生になり、いつもいらいらしていて、父親の博や母親のさくらと衝突している。そこで、伯父の寅次郎が満男の話を聞いてやることになる。
 寅次郎はさばけた男なので、若者の気持ちが分かるだろうということだが、案の定、満男に酒を飲ませて本音を言わせる。満男は転校した下級生の泉に恋していたのだった。泥酔して「くるまや」に戻ると、怒った博は満男を平手打ちにする。寅次郎も面白くなくなり、旅に出てしまう。
 高校を出れば一人前、未成年でも平気で酒を飲んでいた時代である。四月の中旬ともなれば、駅前の歩道には泥酔した新入生が多数横たわっていた。そう言えば、床屋のおじさんに勧められて初めて煙草を吸ったのは、まだ高校生の時だった。僕が在学していた高校は、トイレを見つけるのが簡単だった。煙が出ている所がトイレだったから。外で親父と酒を飲んだのもその頃だった。予備校生の時には泥酔して帰ったのだが、親父には何も言われなかった。自分の若い頃を思い出したんだろう。予科練から帰還してからは、随分荒れていたらしいから。普段はとても怖い人だったが、若者の心はよく分かっていた。何だか性格は寅次郎みたいだったな。
 余談が長くなってしまった。満男は家出して、泉に会いに名古屋へ行く。さらに、泉の下宿先の佐賀にまで足を伸ばす。泉と再会した後、旅館に行くと部屋が空いていない。相部屋することになり、そこにいたのが寅次郎だった。喜劇でなければあり得ない設定だが、寅次郎の満男に対する恋愛塾が始まる。満男にせがまれて、寅次郎も泉の下宿先に押しかけていき……。
 ちょうどバブル経済が崩壊する前で、親にも経済的な余裕があったし、子供の方でも青春を謳歌する自由があった。学費のためにアルバイトをし、就職しても奨学金の借金が山とある現在の学生とは違って、随分恵まれていた時代だった。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:00| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする