2018年02月22日

時を止める湖面(6)

 でも、来てみたら良かった。大きな湖であるだけに、懐の深さが感じられる。半島の西側は砂浜が広がり、キャンプ場も設けられ、打ち寄せるさざ波に、夏の日射しが戯れている。子供たちが水辺に駆け寄る。カップルが並んで写真を撮る。女性的な優しさが広がっている。
 半島と言っても、付け根の部分は数十メートルしかない。半島の中央にはかつての小火山、和琴山がそびえ、辺りは深い森となっている。湖岸に近い所には露天風呂もあって、海水パンツをはいた若者が入っている。湯の温度は四十度以上あり、結構熱く感じられる。
 半島を横切る形で東側に出ると、湖の様子は一変する。摩周湖ほどではないが、深く青い色をして、湖岸にしぶきを上げる湖水は、たぷたぷ音を立てている。深い音はそれだけ多くの水をたたえ、水底が知れぬことを意味している。おおらかでありながら、大きな力をはらんでいるのを見せつけられた。いかにも男性的な力を誇示している。和琴半島を境にして、これほど異なる様相を見せる屈斜路湖は、大きさに見合うだけの包容力もあるのだ。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:21| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする