2018年02月21日

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日(第40作)

 信州小諸を旅した寅次郎は、人なつっこい老婆と親しくなり、一晩泊めてもらうことになる。翌朝、女医の真知子がやってきて、老婆を入院させようとする。老婆はこの家で死にたいと言うが、寅次郎に説得されて入院する。
 女医の真知子は、山好きの夫を遭難で失い、息子を東京の母に預けて、一人暮らしをしていた。そこに姪の由紀がやって来る。由紀は早稲田大学に通う学生で、寅次郎と真知子を結びつけたいと思っている。
 柴又に戻った寅次郎は、由紀が通う早稲田大学の授業に出て、勝手な演説をぶちはじめる。学生の爆笑で講義は台無しになってしまう。今とは違って、部外者が警備員につまみ出されることもなかった。教師も学生もゆったりしていて、自由な空気があの頃にはあった。
 今回のタイトルは、俵万智の短歌集『サラダ記念日』にちなんでいる。どうやら、由紀を俵万智になぞらえているらしい。ただ、寅次郎の恋物語としては、今一つ物足りない。女医の真知子とのからみが弱い気がする。互いに好意を抱いている程度である。
 大きな変更点としては、さくらが団子屋を切り回すようになり、店の名前も「くるまや」に変わっている。モデルとなった団子屋が「とらや」となったので、山田洋次監督が不快感を示して変更したらしい。
 僕にとっては、真知子や由紀よりも、最初に登場した老婆の方が味があって良かった。鈴木光枝はいかにも、おばあちゃんといった感じで、いつまで経っても若作りの老女が多い今の時代には、とても懐かしい気がした。
 あと、ドラマの中で寅次郎が甥の満男に対し、由紀が通う早稲田大学を受験しろと言っている場面を見て、今は亡き父が、僕の従兄と結婚した早稲田の女学生に「どうしたら早稲田大学に入れるか、よく話を聞いておけ」と言ったのを思い出した。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:38| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする