2018年02月07日

ディーパック・チョプラの『ゆだねるということ』

 Deepak ChopraのThe Spontaneous Fullfillment of Desireである。直訳すると『自ずと欲望を満たすこと』になる。ディーパック・チョプラは存在レベルを、物理的領域である現実、エネルギーの領域である量子、意識や知性によって成り立つ「すべて」の領域に分類している。人間の意識は量子から成り立っているエネルギーを、物質として解釈している。宇宙自体が意識を持っており、個人は宇宙の一部であり、意識自体は肉体が崩壊しても残ると主張している。
 人間の一生を振り返ると、多くの偶然によっているのが分かる。意味ある偶然の一致が起こるのは、そのように宇宙によって企画されていたからだという。宇宙は可能性を、偶然の一致という形で提示する。それを活かすかどうかは個人の選択である。瞑想の習慣を持つことで、偶然の一致をとらえてチャンスがつかめるようになるという。
 理論に続いて、偶然の一致がもたらされるための瞑想やスートラ(経典)が示される。これはインドのヴェーダンタ哲学から引用されたものだという。言葉とマントラが組み合わされたものが、読誦することで魂の奥深くに浸透し、変化がもたらされるのだろう。
 日本の仏教では「自力本願」や「他力本願」について語られるが、誤解をともなうことが多いようである。「自力」と言っても、修行にいそしむのは自分だと言っているだけで、自分よりはるかに大きな力に身を任せる点では「他力」を受け容れる必要がある。悟りに至るまでの道が異なるだけで、向かう目標は同じである。
 ディーパック・チョプラの説く方法も、実践するのは自分自身でも、「偶然の一致」を活かす点では似ている。ただ、宇宙の力は単なる「他力」ではない。アートマン(真我)から見れば「他力」のように見えても、アートマンとブラフマン(創造神)は本来同一である。この点では同じ仏教でも、ヒンドゥー教の影響を受けた密教の方に近い。すべては大日如来の表れであり、本来は「一切衆生悉有仏性」なので、自身の本源に立ち帰ればいいのである。

参考文献
ディーパック・チョプラ『ゆだねるということ』(住友進訳 サンマーク出版)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:51| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする