2018年01月14日

知床は記憶の果てに(4)

 トンネルをくぐるとウトロの町が見えてきた。初めて訪れたのが二十八歳の時、二度目が三十三歳の時で、それから二十年ほどの歳月が流れていた。駐車場に降り立った僕は、唖然としてしまった。記憶の中のウトロと、すっかり変わってしまっていたからだ。
 これは知床が世界遺産に指定され、国内外から観光客が押し寄せるようになったことと無関係ではない。僕の知っているウトロは、知床を旅する拠点の町だったとはいえ、どこか辺境らしい荒涼とした雰囲気が漂っていた。
 ところが、ウトロのシンボルだったオロンコ岩も、二階建ての立体駐車場や土産屋、世界遺産の案内所に半ば隠れてしまい、岩の全貌を拝むことができない。観光地化されてしまい、この町が持っていたすがすがしい空気が、失われてしまっていたのだから。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:17| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする