2018年01月05日

知床は記憶の果てに(1)

 サロマ湖との再会を果たした僕は、その夜、網走湖畔のホテルに泊まった。窓の向こうに広がる湖は、対岸まで緑色によどんでいる。動きのない動画を見せられているような。阿寒湖がどれほど美しかったか、改めて感じさせられた。朝風呂を浴びて朝食をとると、急いで車に乗り込んだ。
 いよいよ、知床に向かって出発! 網走市内はすぐに通過し、釧網本線に沿っていく。友人の話では、北海道では列車を汽車と呼ぶんだそうだ。電化されていない路線が多いからだろう。おしゃべりするうちに、小清水の原生花園に寄りたいと言われた。
 本当は早く知床に向かいたかったのだが。駐車場に降り立つと、すぐ脇に原生花園駅があった。こぢんまりとした可愛い駅だ。そのとき、過去の記憶がよみがえった。デジャビュ、既視感があったのだ。三十三歳の時、知床を二度目に訪れたとき、女満別空港発ウトロ行きのバスは、乗客が僕しかいなかった。運転手がとても気さくな人だったので、勧められるままに下車し、目の前の風景を写真に収めたのだった。踏切があったのも、目の前に濤沸湖が広がっていたのも思い出した。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:53| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする