2018年01月20日

臨死体験の瞑想「イントゥ・ザ・ライト」(1)

 これは教育学博士M.テーラーが監修した臨死体験のための誘導瞑想のプログラムである。僕は以前、ヘンリー川原氏の『臨死体験』を聴いて、効果のすさまじさに慄然とした。脳波誘導の機械的な音しか入っていないのに、手足から血の気が引いていき、体温も低下していった。肉体の感覚がなくなった上に、ヴィジョンまで見てしまったからである。ちょっと怖くなって、それ以来聴いていない。迫真性のある形でシミュレーションしたかったら、中古のテープかCDを入手して試してみればいい。
 それに比べたら、『イントゥ・ザ・ライト』は肉体面でのシミュレーションはないから、恐怖感を抱く必要は全くない。ジョン・セリーによる尺八の音楽に、脳波誘導のヘミシンク、それに男性による瞑想誘導の音声がミックスされている。実際に聴いてみる前に、説明書を熟読しておく必要がある。基本的には「体外離脱」用のプログラムであり、臨死状態に陥ったときに混乱しないように、心の準備をするためのものである。
 瞑想の経験がない人がいきなり聴いても、余り効果は期待できないかもしれない。『ゲートウェイ・エクスペリエンス』を繰り返し聴く方が有益だし、死後の体験をシミュレーションしたいのだったら、『ゴーイング・ホーム』の瞑想の方が、ずっと丁寧であり示唆的である。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 12:33| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月19日

知床は記憶の果てに(7)

 ショックだったのは、滝登りできなくなったことだけではない。知床大橋の方面も通行止のままで、カムイワッカ展望台までも行くことができなかったことだ。かつて歩いた道も立ち入り禁止となっていた。硫黄山の登山口も、その先にあるので、登山を希望する者は自己責任で申請してから、立ち入り禁止区域に入ることになる。
 たしかに、空の色も滝の入口も、当時のままだったけれども、入れないところばかりで、記憶をたどることができない。世界遺産になったせいで、安全性が重視されるあまり、あれもだめ、これもだめとなり、自然を外側から見るしかなくなったわけだ。
 万一事故が起きても、昔の人間だったら、運が悪かったと諦めるだけだったが、外国人観光客が増えて、もし安全管理に問題があると、億単位の損害賠償を請求されため、事前に行動に制限をかけてしまったのだろう。
 やせこけた子狐が、物ほしげな顔をして、砂利道を通り過ぎていった。餌付けされた狐は、車に近づくことで轢かれてしまう。狐に触るだけでも、エキノコックス症に感染する恐れがある。哀れな感じがしても、座視しているしかなかった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 03:35| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月18日

知床は記憶の果てに(6)

 知床五湖は後回しにして、終点のカムイワッカ湯の滝でバスを降りた。僕が初めて知床を訪れた一九九一年当時、バスはさらに先の知床大橋まで延びており、しかも自家用車もバイクも自由に出入りしていた。ただ、二度目の一九九六年には、落石の危険があるとして、知床大橋への通行は禁止されてしまった。
 さらに、現在では知床五湖より先は、シャトルバスへの乗車を求められているわけで、世界遺産指定による観光客の増加を見越して、安全最優先の措置が執られた結果らしい。訪れているのは中高年と家族連ればかりで、かつてあふれるほどいた大学生の姿が、まばらにしか見られなかった。
 カムイワッカの滝を登ることが、ほぼ不可能になったのが大きいのではないか。若者の冒険心をくすぐる湯の滝上流への立ち入りが禁止され、知床の大自然を肉体で感じる機会を奪われたことが、魅力をそいでしまったとしか思えない。
 ユースホステルの激減も、一つには少子化の影響や相部屋を嫌う内向的傾向が大きいのだろうが、今の若者は学費のためにアルバイトに追われ、ブラックバイトで長い休みも取らせてもらえないという。知床で青春の思い出を作ることも、今の大学生には贅沢になってしまっているようだ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 03:36| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする