2017年12月18日

男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(第30作)

 寅次郎は大分の湯平(ゆのひら)温泉で、母の遺骨を持った青年三郎と出会う。母が生前、この旅館で働いていたので、納骨前に連れてきたのだった。その話を聞いた寅次郎は感心し、母親の供養を旅館でやってやる。
 その旅館には二人組の女性客が泊まっていた。納骨後に車を運転していた三郎は、二人組と一緒だった寅次郎と再会を果たす。四人でサファリパークで遊んでいると、ヨハンシュトラウスの「春の声」が聞こえてくる。何だかどこかであった設定だと思ったら、第九作の『柴又慕情』で歌子たちが、寅次郎と交歓する場面でも、流れていた音楽だった。三郎は二人のうちの螢子が好きになり、別れ際に「付き合うてくれませんか」とプロポーズする。
 三郎と柴又に戻った寅次郎は、女性とうまく口がきけない三郎に恋愛指南をし、螢子との仲を取り持とうとする。動物園の飼育員をしている三郎は、デート中にチンパンジーの話しかできない朴訥な青年だった。恋愛指南を買って出る点では、『寅次郎頑張れ!』(第二十作)の良介の場合と同じである。最後は三郎と螢子は結ばれる。二人の相談に乗りながらも、螢子を可愛がっていた寅次郎は、「用なし」になったと旅に出ることになる。
 三郎を演じたのが、ジュリーと呼ばれた若き日の沢田研二。確かに色気のある二枚目で、今の女性に人気がある子供っぽい優男とは違う。僕が通っていた高校の教室には、「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」を歌っているポスターが貼られていた。レースのついた派手な衣装も、若者の心をとらえていた。
 螢子を演じたのは、沢田と結婚した田中裕子。この映画の撮影後、連続テレビ小説『おしん』に主役として抜擢され、お茶の間に広く愛されるようになった。若い頃はこんなかわいい顔していたんだなと懐かしく思った。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:38| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする