2017年12月05日

エベン・アレグザンダーの『プルーフ・オブ・ヘヴン』(1)

 僕は若い頃、この自分が本当の自分ではないという感覚を持っていた。本当の自分がこの肉体に押し込まれているような。また、入浴中に眠ってしまい、目覚めた瞬間「宇宙が誕生してからこの方生きてきた自分」から、この自分に舞い戻ってしまったという喪失感を得た。
 これだけなら、若い頃の気の迷いで済ませられるが、眠っている間に「体外離脱」する感覚に襲われた。体と魂にずれが生じて、肉体を抜け出してしまうように感じられたのだ。宙に浮かんだまま、閉まっているドアに向かうと、手がドアをすり抜けてしまった……。「体外離脱」は不随意に起こり、急に肉体に引き戻されて終わった。

 父は病院で息を引き取る前、よく「母さん」という言葉を口にした。それが僕の母ではなく、亡き祖母のことを指しているのは、驚いた真顔や、息子に戻ってしまった口調で分かった。
「いや、あそこにいたような気がしただけだ」と、すぐあと説明してくれた。父のもとには、父の亡き姉も訪れていたようで、「姉貴が呼んでいる」と口にしたり、部屋の中に坊さんの幻が現れたと語ったりした。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 13:53| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする