2017年12月04日

男はつらいよ 寅次郎紙風船(第28作)

 人生も半ばを過ぎてから同窓会に行くと、いろいろ考えさせられるものである。子供の頃のことがよみがえるのに、顔は皆、中年のおっさん、おばさんになっている。悪い魔法にでもかけられたような気分になる。それでも、過去のことが次々と思い出され、懐かしさで胸がいっぱいになる。ただ、寅次郎のように同級生をいじめていた場合は、招かれざる客となる。それを感じた寅次郎は、同窓会の帰りに悪酔いして暴言を吐き、また旅に出しまう。
 筑後川のほとりの宿で、寅次郎は十八の家出娘、愛子と知り合う。ぐれていた愛子は寅次郎を慕って、テキ屋のサクラを演じたりする。その祭りの屋台で、寅次郎は同じ稼業だった常三郎の女房光枝と出会う。夫が病気だと聞かされた寅次郎は、福岡県秋月の家まで訪ねていく。医者にさじを投げられた常三郎は、もし自分が死んだら、光枝と結婚してくれと言い残す。
 寅次郎は愛子に付きまとわれて面白がりながらも、こんなこと続けられないと、置き去りにしてしまう。柴又に戻った寅次郎は、光枝と再会する。常三郎が死んだことを知った寅次郎は、常三郎の言葉を思い出し、真人間になろうと就職試験を受けたりする。光枝は常三郎が死ぬ前に、寅次郎と結婚しろと言った話を持ち出し、寅次郎の気持ちを確かめようとする。本心では所帯を持つことも考えていたのに、寅次郎は照れ隠しで否定してしまう。光枝がほっとした表情を見せたので、寅次郎はつらい気持ちを抑え切れなくなる。
 寅次郎は焼津に向かい、愛子と再会する。十八の娘では恋の対象とはならないが、「おじさん、おじさん」と慕われる寅次郎は楽しそうである。自分らしく生きているからこそ、少女に好かれているのを、寅次郎も自覚しているのである。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:29| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする