2017年11月13日

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 (第25作)

 寅次郎と相思相愛の女、リリーが最初に登場したのは「寅次郎忘れな草」、次いで「寅次郎相合い傘」で、本作が三回目である。歌手を続けるリリーが、沖縄で倒れたという知らせを受けると、高所恐怖症の寅次郎も飛行機に乗り、ふらふらになって那覇空港に降り立つ。
 病院で寅次郎と再会したことで、リリーは生きる意欲を取り戻し、ほどなく退院することができた。民家に間借りした寅次郎とリリーは、夫婦のような生活を始める。ただ、それが日常になると、非日常的な感動も薄れていく。寅次郎が「暑い、暑い」と言って、水族館に通っている間、リリーは仕事を探すために、間借りしている家の息子、高志に車で酒場を回ってもらう。
 病み上がりのリリーを働かせたくない寅次郎は、のんびりしていろと言うが、リリーは「男の世話になるのは真っ平」と答えた後、「あなたと夫婦だったら別よ」と付け加える。リリーの告白に対し、寅次郎は「お互い所帯なんか持つ柄か」と言い返す。そこに現れた高志がリリーの肩を持つので、寅次郎は「てめえ、リリーに惚れてるな」と怒鳴る。すると、リリーは怒りを爆発させて卓袱台をひっくり返す。翌日、寅次郎を置き去りにして、本土に帰ってしまう。
 寅次郎は島伝いに船に乗り、三日三晩飲まず食わずで、行き倒れになって「とらや」に担ぎ込まれる。元気になった頃、リリーが「とらや」を訪ねてくる。今度は寅次郎の方から「おれと所帯持つか」と言うと、リリーは照れて、「みんな真に受けるわよ」と言って受け流す。本当はうれしかったのに。
 柴又でリリーと別れた寅次郎は、再び旅先でリリーと再会する。二人ともすごい乗りで、草津に向かって旅を続ける。やはり二人は、旅しているからこそ、本音をぶつけ合って意気投合できる。結婚に対する憧れはあっても、恋人同士でいる方が、素直な気持ちで相手を愛せるのである。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:20| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする