2017年11月06日

男はつらいよ 寅次郎春の夢(第24作)

 このシリーズはパターンが決まっている。寅次郎が旅先から戻ると、とらやで一悶着が起きて、怒った寅次郎は飛び出していく。寅次郎が帰ってくると、目の前に美人が現れて一目惚れする。ほどなく、恋は破れてふたたびテキ屋の仕事に戻るといったパターンである。だから、マンネリズムに陥らないように、何か新しい要素が必要なのだ。
 今回はビタミン剤のセールスをしているアメリカ人、マイケルが登場する。とらやの人たちは「舞妓さん」みたいに呼んでいる。ビジネスがうまくいかず、ホテル代も出せないため、御前様の勧めでとらやに下宿するようになる。とらやの人たち、とりわけさくらの親切に感激したマイケルは、さくらのことを愛するようになる。しがない商売をしている点で、かなわぬ恋をする点で、アメリカ版の寅さんである。
 一方、寅次郎は甥の満男が通う英語塾の先生、めぐみのお母さんに恋心を抱くようになる。ただ、マイケルのさくらに対する思いが詳しく表現されている分、寅次郎の恋は表面をなぞるようにしか描かれていない。決まった時間枠の中では、やむを得ないことであるが。マイケルと寅次郎が、ともに失恋したところで、マイケルはアメリカに帰郷し、寅次郎はテキ屋稼業に戻っていく。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 05:50| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする