2017年09月18日

男はつらいよ 葛飾立志篇(第16作)

 冒頭で順子という女子高校生が現れ、寅次郎を父親と勘違いする。せっかく桜田淳子を登場させたのに、その後は寅次郎と再会することもなく、手紙のやりとりで終わる。順子の母お雪のことも通り一遍の説明だけで、どうして父親と勘違いした話を持ち出したのか理解できない。
 寅次郎はお雪の墓参りで、住職から学問の大切さを教えられる。柴又のとらやには、御前様の親戚で考古学を専攻する礼子が下宿している。学問をしたいという寅次郎に対し、歴史の家庭教師を始める。今回は礼子の方が寅次郎の恋する相手というわけである。
 そこに、礼子の師である田所先生が登場する。大学教師の描写がステレオタイプである点では、『寅次郎夢枕』における岡倉の場合と同様である。ちなみに、岡倉を演じた米倉斉加年が、今回は警官役としてたびたび登場するのも気になった。
 田所先生も変人として描かれ、団子を食べながら煙草を吸い、身なり構わぬ風体で、酔ってオペラの歌などうたっているが、恋愛の道には縁遠い。寅次郎に教えられて愛弟子の礼子への愛に目覚めるが、礼子に断られて寅次郎と旅をするところで幕が下りる。
 何で学者を登場させると、こうもステレオタイプになってしまうのか。庶民から見た学者のイメージをなぞっているからなのか。喜劇だから必ずしもリアリズムは要求されないというのだろうが、人間描写が浅くてがっかりさせられる。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 03:25| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする