2017年09月12日

「んみゃーち」の宮古島(10)

 池間島を走っていて目につくのは、この島が蟹に優しいということだ。「ドライバーへ─カニに注意」「カニさんへ─Car(カー)に注意」とか。中には「カニさんどちらへ?」「広い海の産婦人科よ」なんて看板もある。島の中央にある湿地と海を行き来するには、どうしても車道を横断しなければならないからだ。カニの大移動は、5月から10月の満月の夜に行われるという。
 半周ぐらいしたところで、また池間大橋を渡って宮古島に戻った。帰路はだらだらの上り坂が続いたから、行きよりもきつかった。スーパーに入って「ミキ」という飲み物を買った。これは米と餅米、生姜を入れて発酵させた甘酒のようなもので、疲れた体の栄養源には最適だ。すぐに体力がよみがえって、平良港への道を急いだ。
 漲水御嶽(はりみずうたき)は宮古島の方言では「ぴゃるみずうたき」と呼ばれている。島の創世神話も伝えられていて、天帝が天の岩戸の先端をへし折って、海中に投げ込んだことで宮古島が生まれたと言われる。1500年豪族の仲宗根豊見親が琉球王府の軍隊を先導して、八重山のオケヤ赤蜂を征討する際にも、この御嶽で神霊の加護と戦勝を祈願したとされる。社は琉球赤瓦の屋根と白壁のコントラストで美しい。その前では信心深いおばあさんがお祈りしていた。座り込んで手を合わせ、何か唱えているところを見ると、ユタなのかもしれなかった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 12:29| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする