2017年08月23日

男はつらいよ 私の寅さん(第12作)

 とらやのおいちゃん、おばちゃんに感謝の意味で、さくらと博は九州旅行を計画する。旅立つ前日に寅次郎が帰ってくる。隠し立てされたことにへそを曲げるわけだが、さくらに説得されて留守番を引き受ける。
 普段は旅ガラスの寅次郎だが、道中の安全を思ってやきもきする。おいちゃんたちが帰ってくるときは、ご飯を作って風呂を沸かして待っている。立場がすっかり逆転している。寅次郎らしくない善人ぶりである。
 そこに寅次郎の旧友文彦が現れる。文彦の妹りつ子の家に上がり込んだ寅次郎は、酔ってりつ子のキャンバスを汚してしまう。何てひどいことをと、りつ子はすごい剣幕である。寅次郎とりつ子の出会いも、典型とはかなり異なっている。
 ところが、先日は失礼なことをしたと、りつ子の方から「とらや」に謝りに来る。りつ子の笑顔に、寅次郎はまた一目惚れしてしまう。ここでようやく、いつものパターンに入る。寅次郎に好感を持つりつ子だったが、それはあくまで友達としてだった。
 結婚よりも画家として生きていきたい、いつまでもいい友達でいましょうと言われたら、それが本心であっても、今まで通りに付き合っていくのは難しい。気持ちをすぐに切り換えられないところが、ドライになりきれないところが日本人らしい。寅次郎はつらくなり、旅ガラスの生活に戻っていく。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:44| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする