2017年08月21日

「んみゃーち」の宮古島(4)

 翌日は雲が多かった。八時に朝食をとり、自転車を借りて平良港に向かった。宮古島というのは、沖縄でも独特の言葉と文化を持つわけだが、宮古島の周囲に多くの小島を従えて、宮古諸島を形作っている。
 そのうちの一つ、伊良部島(いらぶじま)に渡ることにした。自転車を引いてフェリーに乗り込む。港から十分で着いてしまうとのこと。二〇一五年には伊良部大橋が開通し、宮古島とつながったが、当時はまだ工事も始まっていなかった。伊良部島は下地島(しもじじま)とも、すでに橋でつながっていた。二つの島は数十万年前の、新生代第四期の琉球石灰岩でできている。伊良部島にある通り池は、石灰岩にできた鍾乳洞が地殻変動で陥没し、海水の浸食によって生まれたものだという。
 実際に伊良部島に渡り、通り池の方に向かった。海岸線の岩場から草原にかけて、二つの池が見える。外側の池は直径七十五メートル、深さは四十五メートル。内側の池は直径五十五メートル、深さ二十五メートル。二つの池はアーチ状の橋の下でつながり、外側の池はさらに海につながっている。なるほど、青く澄んでいて、外洋のような深い色をしている。池の底近くまで光が射し込むらしい。
 水中には石灰石の柱が垂れ下がり、鍾乳洞だった名残をとどめているという。ただ、表面の白さは失われており、黒みかがった周囲の岩と同じ色になっているとのこと。水面の浅い部分は真水で、途中から海水に変わるのだが、水面に近い部分ほど、石灰分が溶け出してえぐられている。そんなことを考えずに眺めていると、異界に引き込まれるような力を感じ、池の縁で足がすくむのを感じた。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:05| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする