2017年08月14日

豊見城の海軍司令部壕(1)

 翌日はやや雲が多かった。那覇バスターミナルから、豊見城(とみぐすく)城趾公園に出た。沖縄がまだ三国に分かれていた時代、南山王の汪応祖(おうおうそ)が、漫湖を見下ろす地に建てた城で、琉球王国を統一した中山王の尚巴志の攻撃を受けて落城した。城壁や石門も撤去されて、往時をしのぶ物はない。
 僕がここを訪れたのは、南山王の遺跡を求めたからではない。この地下に沖縄戦を指揮した海軍の司令部が置かれていたからである。前回、沖縄を訪れたとき、時間の関係で見学することができなかった。次に訪れるときには、沖縄戦の記憶をとどめる壕を、ぜひ自らの目で確かめたいと思っていたのだ。
 海軍司令部壕は城趾公園の外、坂道を上った頂にあった。コンクリートに漆喰を塗った当時のトンネルが姿を現した。その途端、そこを出入りしていた兵士たちの重苦しい気分が伝わってきて、ぞくっと背筋が寒くなった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:42| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする