2017年08月05日

御嶽は神々を祀る杜(3)

 実際に、久高島に渡ってみることにした。馬天入口のバス停で降り、馬天港からフェリーで徳仁港に入った。港のそばにはイラブーガマ、イラブーと呼ばれるえエラブウミヘビが産卵する洞窟がある。イラブーは海に住む毒蛇だが、性格は至っておとなしい。琉球の宮廷料理には、この蛇の燻製を入れたイラブー汁が欠かせない。
 豚肉と昆布も合わせた汁は、滋養強壮にいいらしい。イラブー自体は臭みを十分に抜いてあるので、身欠きニシンのような食感で、カシオ節に似たいい出汁(だし)が出るという。蛇みたいな下手物を、と思ってしまうが、中国では高級料理の食材とされ、生き血も飲んだりする。那覇の市場に出れば、針金みたいに固い、ぐるぐるに巻かれたイラブーの燻製が売られている。
 このイラブーを捕らえることを許されていたのが、久高島の祝女(ノロ)である。祝女というのは、白い着物をまとった世襲の女性神官で、末端で地域の祭祀を司っていた。琉球王国の時代、その階層の頂点に位置していたのが、聞得大君である。祝女は国王から辞令を出され、土地を与えられていた。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 12:52| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする