2017年07月08日

男はつらいよ 奮闘篇(第7作)

 第二作『続・男はつらいよ』で登場した生母菊が、寅次郎を訪ねてくる。葉書で寅次郎が結婚すると言ってよこしたので、顔を見たくなったのだという。しかし、寅次郎が失恋の連続であるのを知って、再会したばかりの二人は言い合いとなる。売り言葉に買い言葉で、寅次郎は嫁さんを探しにいくと言って飛び出してしまう。
 寅次郎は青森の津軽から集団就職で上京しながら、紡績工場から飛び出した娘、花子と出会う。花子は知的障害者だが、美しい声で歌う美少女である。寅次郎は花子の就職先を探し、結局とらやで働かせることで落ち着く。
 今回は知的障害者の少女がヒロインという点が変わっている。困っている少女を哀れんで、人助けしている積もりだったのだが、寅次郎の好意を喜んだ花子は、「お嫁さんになりたい」と言い出す。それを真に受けた寅次郎は、有頂天になるわけだが。本当は好意を寄せているに過ぎないことがうかがえる。素朴な形でしか思いを表現できない少女と、天真爛漫な寅次郎のコントラストがコミカルである。
 中学や高校を卒業すると、東北の貧しい農村から、大量の子供たちが集団就職で上京した時代。冬の間は農作業ができない一家の大黒柱も、大都市の工事現場に出稼ぎ労働者として出て行った。1970年代はいまだに地域格差の大きい時代だった。東北出身の若者でも、方言丸出しだったのは、遠い過去の時代となった。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:15| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする