仏教の専門家でなければ、細かい解釈については分からないが、『般若心経』を通じて各宗派の仏教をつなぎ、その理解を深めることで、究極の仏教である密教への道を開こうとする意図が感じられる。
空海は自身の思いを偈(詩文)や名句の形で示す。簡潔にして要を得た、心に響く言葉で表している。
「哀れなる哉(かな)、哀れなる哉、長眠(じょうめん)の子(し)。苦しい哉、痛ましい哉、狂酔(きょうすい)の人(にん)。痛狂(つうきょう)は酔(え)わざるを笑い、酷睡(こくすい)は覚者(かくしゃ)を嘲(あざ)ける。曾(か)つて医王(いおう)の薬(くすり)を訪(とぶ)らわずんば、何(いず)れの時にか大日の光を見ん」
真実から目をそらす人間が、真実を知った人間を嘲笑う。いつの時代でも、救いがたい錯誤、アベコベの言動が幅を利かしている。仏の教えを求めなければ、永遠の仏である大日如来の光と一つになることはできないというのである。
参考文献
空海『般若心経秘鍵』(加藤精一編 角川書店)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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