天気予報によれば、台風が沖縄に近づきつつあるということだ。ちょうどいいあんばいに、旅の終わりが来たということだ。にわか雨には遭ったものの、これほど晴天が続いたのは幸運だったと言うしかない。
今回の旅は、琉球村など沖縄の風俗に触れた最初の三日間、竹富島、石垣島、西表島で光と海、川の魅力を満喫した五日間、沖縄の歴史と現実に触れた最後の三日間に分けられる。僕にとって忘れられないのは、那覇港を発ってから、石垣空港を発つまでの大自然だった。都会に住む人間の知らない異界を旅した感じがする。鏡を見ればびっくりするが、すっかり南の島の住人みたいに、浅黒く日焼けしている。
まだ、沖縄のことは知らないことだらけだ。訪れていない島も多い。首里城はまだ工事中だったし、戦跡に関しても一部しか見ていない。まだ旅が終わっていないのに、次の旅のことを考えていた。
那覇空港から飛び立った。浮き上がった途端、坂道を上るように傾く。はるか下に那覇の街、そして港が見える。沖の小島には珊瑚礁が延びている。さらに高度が上がると、下には雲が広がっている。
潮岬の上空あたりまでかなり揺れた。やはり、接近している台風のせいなのだろう。翼が小刻みに震えている。御前崎を過ぎると、青い富士山がかなり下方に見えた。乗客は憑かれたように見とれている。日本に帰ってきたという気がした。沖縄は今は日本であるが、やはり本土とは異なる文化の世界だった。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:沖縄,那覇,国際通り,富士山