夕食を取ってから、彼と上原の漁港に行ってみた。集会所ではちょうど、三線(さんしん)の練習をしていた。それとともにお囃子も聞こえてきた。「安里屋ユンタ」だろうか。彼の聞きたかった八重山民謡が、こうして生の形で聞けたのだ。
空はすでに暗く、最初にこの島に来た時のように三日月が出ていた。岸壁につながれた船の前で、お互いを写真に撮り合った。沖は黒い輪郭にしか見えなかった。そのとき、がさがさっと音がした。あわててシャッターを切ったのが、果たして何が写っているだろう。イリオモテヤマネコ? それともハブか?(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:西表島,島唄,八重山民謡