これが落語で言えば「枕」の部分である。それが連想を誘うように、竜岡親分の危篤の知らせが入る。札幌に飛んだ寅次郎は、親分がまだ見ぬ息子に一目会いたいと言って涙を流すのを聞く。探し当てた息子の説得もままならぬまま、親分の死を知った寅次郎は、人生の無常を感じて、汗水流して働くことの大切さを悟る。
寅次郎が働き始めたのは、まだ漁師町だった頃の浦安である。豆腐屋で仕事に精を出す寅次郎だったが、娘の節子に心引かれたからだった。節子に「ずっとここにいてほしい」と言われた寅次郎は、これをプロポーズだと早合点する。実は節子には恋人がおり、結婚して高崎に引っ越すので、母親の店を寅次郎に手伝っていてもらいたかったのだ。真っ当な生き方をしようとして、失恋するいつもの顛末である。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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