2017年06月08日

西表島は日本のアマゾン(10)

 翌日はよく晴れ上がり、南国の強い日射しで、存在すべてが白く色あせていた。同室の彼はレンタルバイクを借りて、浦内川の方へ出かけていった。僕は昨日の女性たちと一緒に、島の北端にある星砂の浜へ、みどり荘のワゴン車で送ってもらった。
 なぜ星の形の砂が出来たかというと、バギュロジプシナという有孔虫の殻が集まっているからだという。生きているときは肌色をしているが、死ぬと白いカルシウムの殻だけが残る。ロマンチックな形をした砂は、単細胞生物の死骸だったのだ。
 沖には鳩間島が霞んで見える。潮が引くまでにはまだ時間があった。レストハウスでマンゴージュースを飲んだあと、木陰で腰にタオルを巻いて水着に着替えた。シュノーケルの方は、まだ十分に使いこなせてはいない。浅瀬で軽く練習してから昼食を取った。
 潮が引き始め、沖のリーフも見え始めた。借りたフィン(足ひれ)は歩くときには不便で、つまずいてしまいそうになった。そこで、フィンを手に持ち、ゴム草履で珊瑚の上を歩いていったら、足を何ヶ所も出血してしまった。珊瑚は割れた陶磁器のように鋭い。結局、歩きにくくてもフィンをはいているのが安全だということが分かった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 04:04| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする