2017年06月04日

ぼくがダライラマ?(3)

 次の年の春のことだった。ヒマラヤの雪が朝日を浴びて、橙色に輝いていた。前日まで吹き荒れた砂嵐もやんで、空気がこれほど澄み渡り、目に見えるものすべてが清められたのは久し振りだった。
 いつものように、ぼくは自分より一つ年下のヤクの背中に乗って、お父さんが羊を放牧している草原に出ていた。そこはうちからゆるやか坂を下っていった先にあった。風がほとんど止まっている。
 お父さんは羊たちに草を食ませて、やかんからバター茶を注いで飲んでいた。遠くから動くものが近づいてくる。
「あ、お坊さん!」
 ぼくは何気なく声を出すと、お父さんは振り返って、急に怖そうな顔に変わった。黄色い袈裟は新派の坊さんのものだから、お父さんがお祈りのときに着る赤い袈裟とは違う。しかも、この国を治めているのは、黄色い袈裟を着た坊さんなのだった。何も気づかぬ様子で、向こうの上り坂を通り過ぎてゆく。
 しばらくして、お母さんが駆け足でこちらにやって来た。引きつった声で叫んでいる。何かとんでもないことが起こったんだ。
「羊たちを見ていろよ」(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 01:38| Comment(0) | 連載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第5版『電子本(電子書籍)を作ろう!』(ePub)

『電子本を作ろう!』(ePub)の第5版を公開します。ジャストシステムの「一太郎2016」に関する新情報を含んだ増補版です。ePubやmobi、およびpdf形式で作るノウハウを解説します。電子書籍の形式について説明した後、文章を書いていく上での注意点、ファイルの作成方法、公開の仕方などを順に述べていきます。

 第五版においては、「一太郎2016」で追加された機能のほか、ePubの固定レイアウトとPDFの違い、ePubの脚注の問題、「詠太」のアクセント記号と、他の読み上げソフトの機能、さらに、書籍を再編集する場合の注意などについて加筆しました。古くなった情報は削除し、リンクが古くなったものは張り直しました。以下のリンクをクリックして保存してからご覧下さい。
denshibon5.epub

 また、『電子本(電子書籍)を作ろう!』で紹介したePubのテンプレートは、以下のページからダウンロードできます。
http://takanoatsushi.seesaa.net/article/434380018.html

 iTunesからダウンロードする場合は、ミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。
 IEでダウンロードした場合は、拡張子をzipからepubに変えて、下記のアプリでご覧下さい。
 パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。

 ePubはiOSのiPadやiPhoneなどで読むのに適した形式です。iBooksやbREADER(http://breader.infocity.co.jp/)でご覧下さい。Windowsでは紀伊國屋書店のKinoppy(http://k-kinoppy.jp/for-windowsdt.html)が、最も美しくePubのファイルを表示します。Windows8用のアプリのEPUB Reader(http://www.skyfish.co.jp/epubreader.html)でも開けますが、一部のレイアウトが反映されません。

 ブラウザからePubを開く場合、Googleのchrome(https://www.google.co.jp/chrome/browser/desktop/index.html)なら、プラグインのReadium(http://readium.org/)をインストールして下さい。
 firefox(https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/)にもプラグインのEPUBReader(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/epubreader/)があり、縦書きやルビなどにもようやく対応しました。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

posted by 高野敦志 at 00:58| Comment(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする