記念式典が行われる広場を過ぎ、平和祈念資料館の方に向かった。そこで見られたのは、沖縄戦で起きた悲劇の連続だった。昭和二十年、米軍の本島上陸が近づいた頃、米軍の戦艦が慶良間諸島を包囲すると、島民の多くは自決を余儀なくされた。ネコイラズ、殺鼠剤を持っている家はうらやましがられた。これを大量に摂取すると、吐いて助かってしまう。それがないうちでは、家族同士、ナイフで殺し合った。夫が妻や子供、老人を刺した。そして、仲間同士でも。
首里が陥落すると、日本軍は喜屋武(きゃん)半島へと転進した。退却という言葉を使うと、国民の士気が下がるとして「転進」という言葉がニュースで流されていた。そこで米軍を疲弊させ、国体の護持、天皇制の存続という条件を米軍に呑ませた上で、終戦に持ち込もうとしたのだ。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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