トイレが出来たおかげで、ぼくらは夜中になっても、部屋の中でぬくぬくしてられるようになった。外の湯たんぽで震えてることもなくなった。寒くなると出不精になるのは、ネコも人間も同じなんだな。
おばさんとおばあさんが寝てしまっても、おじさんは暖かい部屋で起きている。日によっては、夜明け近くまで明かりをともして。といっても、半分は机にうつぶして居眠りしてるのだが。兄貴の方を見ると、ソファの上で丸くなっている。いい気なもんだ。
ぼくがテーブルの端からのぞき込むと、文字がたくさん並んだ機械を、おじさんは指で押している。初めは何をやってるのか分からなかったが、どうやら人間の言葉を書く機械らしい。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:吾輩は猫である,ネコ,パロディー