2017年05月18日

西表島は日本のアマゾン(6)

 船に乗り込むと、エンジンがスピードを上げてさかのぼる。川の流れは大きく蛇行している。両側にはマングローブの林が続いている。まだ潮が満ちているため、竹箒のようなオヒルギの根は、水面から現れていない。
 それにしても、ジャングルを縫うように大河が流れるさまは、日本のアマゾンと呼ぶにふさわしい。これを見るために、はるばる遠い西の島まで来たんだな。岸の両側にはソテツや、パイナップルに似たアダンの木も生えている。アダンと言えば、ヤシガニの好物である。そいつはヤドカリの仲間で、体重が1キロを超す巨体である。棲む生物からして本土とは全く異なる。かつてはマラリアが蔓延した点でも、日本の中の異界なのだ。
 二十分ほどして、川上の船着き場に着いた。そこからはジャングルの奥につながる山道を上っていく。ヘルパーの青年は、函館出身なのだそうだ。ここでは夏休みの間働くつもりらしい。ただ、仕事はきつく、レンターカーの洗車までやらされる。休憩は昼からの数時間で休日はない。しかも日当は……。楽園のイメージとは、ちょっと違うようだ。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:09| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする