2017年05月17日

ぼくはネコなのだ(37)

「お兄ちゃん、ひどいこと言ってたけど、無事にすんだじゃないの。○○したんだから、あの子たちはかわいいままでいられるのよ」
 おばさんが何かしたと言っているんだが、よく聞き取れない。悪い夢を見てからは、兄貴とぼくは以前よりも仲良しになった。うちの中で互いに毛づくろいをして、体中のほこりをなめて取るのだ。
「ぼく、前よりも兄ちゃんが好きになっちゃった」
 そう言いながら、おなかのあたりをなめていたら、兄ちゃんの金玉がなくなってることに気がついた。
「兄ちゃん、大変だよ。もう皮ばかりの種なしぶどうになっちゃったよ」
「おまえのもなくなってるぞ。何か足りないと思ってたけど、そういうことだったのか」
「ひどいよね。自分たちが子どもが作れないからって、ぼくたちまで道連れにするなんて」
「いや、子ども作れないなら、かえって好都合かもしれないぞ。最近は妊娠したくないメスが増えてるって言うし」
 その言葉を聞いた途端、ぼくの体の中で、抑えきれない欲望が生じた。兄貴の体を後ろから押さえて、馬乗りみたいに乗っかろうとした。兄貴はいやがって逃げ出した。
「おれ、そういう趣味はないんだ」
「兄ちゃん、お願いだから、ちょっとやらしてよ!」(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:57| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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