いるもて荘に戻った。このユースホステルのいいところは、180度視界が開けた高台に建っているという点だ。沖合には鳩間島が見える。夕食を終えたのは、午後8時頃で、日が沈んだばかりだった。すでにシルエットだけになった小島には、灯台の明かりがともっていた。
西の空には細い三日月が昇った。海にせり出した高台には電波塔があり、その辺りを境にして、紫がかった赤の淡い光が、悲しいまでの美しさを放っていた。上空から闇が下りて星が瞬き出しても、水平線はいつまでも黄色い残照が輝いていた。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:西表島,夕焼け,鳩間島,標準時間