2017年05月12日

西表島は日本のアマゾン(3)

 目の前にはボートが一艘、ロープにつながれていた。数百メートル上流に目をやると、ボートで川をさかのぼっている人たちが見えた。今は鳥の声と虫の声、時折魚たちが立てる水音しか聞こえない。
 ふと、海の方からしずしず音がした。潮が満ちてきたのだ。それも見る見る押し寄せてくる。砂漠に降った豪雨のあとのように。ミナミコメツキガニの退却が始まった。この速さでは、砂の中に潜り込むしかないわけだ。小さな川がちょろちょろ流れていたのに、今や大河のような川幅になっていく。
 僕は橋の上に戻っていた。小川が大河の夢を見る。それが実現する懐の広さ、自由闊達さがこの島にはあるのだ。すでに川は塩を含んで汽水となり、海の魚たちが押し寄せているはずだ。広大な入り江がしばしの間に見せた変貌に、僕は息を呑むばかりだった。西表島に来たのだという実感がみなぎっていた。すでに干潟も半ば海原に戻り、あの蛇行した流れも間もなく海の中に消えるだろう。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:12| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

連体修飾節の種類

 日本語における連体修飾節では、名詞の前に修飾する語句が来る。実際の例を挙げて説明しよう。

例 母が作った料理はおいしい。

 修飾される名詞(料理)は、文法用語では「底の名詞」と呼ばれる。

 それに対して、英語では名詞の後に修飾する語句が来る。

例 Dishes(which)my mother made are delicious.

 英語など欧米の諸言語の多くは、修飾する語句を、どんどん後ろにつなげられるから、修飾する部分が長すぎた場合、それを日本語に訳すのには工夫が要る。長大な語句が前置されて「底の名詞」を修飾する場合、修飾・被修飾の関係が複雑になり、文の構成が一読しただけでは分かりにくくなるからである。
 ここで言う「底の名詞」とは英文法における「先行詞」に相当する。また、英語のwhichのような「関係代名詞」に相当する語は、日本語では必要とされない。

 普通はその程度しか、連体修飾節については知らないかもしれない。しかし、日本語の連体修飾節は「内の関係」と「外の関係」に大別され、用法にも細かなルールがあるので、日本語教師として日本語を外国人に教える場合や、上級の日本語学習者も大枠を知っておく必要がある。
 また、日本語を英語に訳す場合も、日本語の連体修飾節について知っておくことは、思わぬ誤訳を避ける上で役に立つだろう。

 以下に用法をまとめたので、ダウンロードして参考にして下さい。
rentaishushokusetsu.pdf

 iTunesからダウンロードする場合は、マイミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。大部分のパソコンにインストールされているAdobe Readerで読むことができます。

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