2017年05月03日

ぼくはネコなのだ(32)

 兄貴と離ればなれにならなかっただけでもよかった、とぼくは思った。その間も、くまモンさんに頭をなでられてた兄貴は、うれしそうにのどをゴロゴロ鳴らしていた。
「イオはとても頭のいいネコだったんだ。人の気持ちを読むのが上手で、こちらがさびしいときは寄り添ってくれるし、いそがしいときはそばで見守ってくれた。魚が大好物で、サンマなんか焼いていると、目の色変えて飛んできたっけ。イオは死んでしまったけど、生まれ変わりのネコがいるんじゃないかって、いつも探しているんだ」
 くまモンさんはやさしい人なんだなと思った。そこで、ぼくも仲良しになりたくて、プレゼントをあげることにした。庭の中を探し回って、一匹のトカゲを見つけると、おやつにしてもらおうと、くわえたままくまモンさんに差し出そうとした。
 その途端、くまモンさんは「ギャッ」と叫んで逃げ出した。その拍子に、兄貴はくまモンさんのひざから転げ落ちてしまった。(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:56| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする