2017年05月02日

ぼくはネコなのだ(31)

 くまモンさんがしゃがんで手を伸ばした。すると、兄貴は自分の方から、くまモンさんのひざの上に乗った。ぼくは目を疑ってしまった。初めて会った相手でも取り入ろうとする、兄貴のそういうところがいやだと思った。
「実はね、イオを飼う前に、そっくりのネコを飼っていたんだ。そのネコは外で飼っていたんだけど、ある日を境にいなくなってしまってね。ネコは人目を避けて、ひっそり死ぬって言うからね。それからしばらくして、のらネコが二匹の子ネコをつれてうちに来たんだ。似ている方の子ネコをうちの中に入れたら、母ネコが怒ってね。網戸を破ってうちに入ってきたんだ」
 それを聞いて、ぼくはうらやましくなった。おなかに子供が出来たからといって、ぼくたち兄弟を追い払った母ちゃんとは大違いだったから。
「イオには兄弟がいたってわけさ。ただ、うちで三匹飼うことは出来なかったから、知人に母ネコともう一匹の子を飼ってもらったんだ」(つづく)

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:56| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする